今回は夫のアスペルガー症候群により、ご自身がカサンドラ症候群になり、再構築を目指すも体調悪化により協議離婚に至った方の体験談です。
体験談の方のプロフィール
プロフィール(女性)
- 職業 無職
- 現在の年齢 36歳(2021年2月現在)
- 離婚時の年齢 35歳
- 結婚期間 2014年1月~2019年12月
- 子供 あり(離婚時は2歳)
- 親権 自分
- 離婚種別 協議
- 養育費 あり(月8万円)
- 慰謝料 なし
- 財産分与 家財などは必要に応じて分けたら大体半分だったのでそれで良しとしました
共同貯蓄は株にしており、株は元夫が所有し続けることにして、当時の時価で計算した金額320万の半分を現金で分割で受け取りました
元夫の出会い
元夫は、仲の良い友だちの、大学の先輩でした。
趣味のグループで何度か交流するうちに、少し変わり者だけど穏やかな人柄に惹かれて恋愛関係になり、結婚しました。
離婚を意識した理由
元夫はおそらくアスペルガー症候群で、私はいわゆるカサンドラ症候群(アスペルガー症候群のパートナーと情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状)になってしまいました。
半年かけて再構築を目指しましたが、私の体調が悪くなり、このままでは育児に支障が出ると思い、離婚を決意しました。
参考
- アスペルガー症候群とは、発達障がいの一つで、社会性・コミュニケーション・想像力・共感性・イメージすることの障がい、こだわりの強さ、感覚の過敏などを特徴とする、自閉症スペクトラム障がいのうち、知能や言語の遅れがないもの。
- カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群の夫または妻(あるいはパートナー)と情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉。
離婚までの経緯
子どもが産まれて半年経った頃から、元夫に対してひどくイライラしたり、逆に自己嫌悪で塞ぎ込んだり、情緒不安定になりました。
産後うつかもしれないと思い、心療内科にかかり、一時保育を利用してリフレッシュをはかり、友人に遊びに来てもらったりしましたが、ストレスは減らず。
育児がストレスなのではない、”元夫がストレスだ” ということに気付きました。
元夫は、何でもハイハイと聞いてくれる、穏やかな優しい人で、不満なんて持ったらバチが当たると思っていました。
しかし、裏を返すと、自主的に動いてくれない人でした。また、怠け癖もありました。
そして辛かったのは、子どもに興味を持ってくれている実感が湧かなかったことです。
私のことさえ、そばに居さえすればよく、私が何を考えていようが興味がないように見えました。
この頃はまだ、アスペルガー症候群の可能性に気づいていませんでした。
だからただただ悲しく、腹立たしかったです。
元夫とのコミュニケーションのすれ違いは限りなくありましたが、一番心に残るエピソードは、産後、胃腸炎になった時のことです。
私は深夜、ひどく具合が悪くて目が覚め、初めての感覚にとても恐怖を覚え、元夫に救急車を呼んで欲しいと頼みました。
しかし、何故かのらりくらりと無視されたのです。
意味がわからないまま、朝を迎えました。
朝には体調がマシになっていて、平日だったのでいつものように家事をしていたら、元夫は普通におはよう、と笑顔で接してくるのです。
何か言うことないの、と悲しくなりました。
結局、実は、元夫も同じタイミングで胃腸炎になっていたと後で分かりました。
おそらく、具合が悪くて思考能力が低下し、私のことを無視したのでしょう。
朝には元気そうに見えたから、元気?と訊くのも無駄だし、もう何も話すことはないと思ったのでしょう。脱力しました。
このような、なんとも言えないコミュニケーションのずれが、本当にしょっちゅうありました。
じわじわと心を殺されるような虚無感に「カサンドラ症候群」という名前があることを知った時、ああこれだ…と救われたような思いがしました。
元夫は診断などはなく、この結論に至るまでは大変でしたが、調べれば調べるほど、元夫の性格も、私の症状も、ピタリと当てはまっていて怖いくらいでした。
それならば発達障害とうまく付き合う方法を考えればいい、と一度は前向きに取り組み始めました。
本やネット記事を読んだりカサンドラの集まりに参加したりして、私の方はやる気満々だったのですが……
元夫は、情緒的つながりを理解しないので、現状の何が問題なのかを真に理解することができなかったようです。
手応えのない話を延々と繰り返すことに、私は疲れてしまいました。
結局、もっと頑張りたいと思いつつも、私の体の方が限界になってしまいました。
眠れない、食べられない、目眩がする、などの症状が酷くなっていきました。
このままでは育児に支障が出る、子どもを最優先にしようと離婚を決意しました。
離婚をして良かったこと、悪かったこと
良かったこと
自分の体調が回復し、元気に育児ができています。
実家での賑やかな生活は、子にも良い影響があると思っています。
悪かったこと
覚悟は決めていたので、特にないです
離婚後の現状
実家のサポートと、元夫からの養育費、市の補助などのおかげで、離婚前に想定していた通りの穏やかな暮らしができています。
もちろん結婚生活を続けていれば、もっと金銭的には豊かな生活を子どもにもさせてあげられたのですが、母親である自分が健康体で、笑顔で子どもに接することができるようになり、良かったと思っています。
子どもにも発達障害の傾向が見られ始めたので、療育に忙しい毎日です。
子のために動き、色々と考える中で、同じ傾向を持つ元夫に対しても、改めて思うこともあります。
子にとっても今後、必要な人になる可能性があると思うので、面会や近況報告はマメにおこなっています。
離婚を考えている方へアドバイス
足踏みしている方は、こんなの取るに足りない理由なのではないか、と悩まれているかも知れません。私も、つい他の人と比べてしまっていました。
でももし、他の人ならば耐えられる状況だったとして、自分にとっては病気になるくらいのストレスならば、その感じ方を気合いでは変えられないです。やがて倒れてしまいます。そこまで頑張り続ける前に決めて欲しいと思います。
自分や、自分の大切なもの(私は子どもでした)の健康を守って下さい。情けなくてもカッコ悪くても、また後で考えたらいいと思うんです。
本当にカッコ悪いですが、状況が変われば結論も変わる、同じ人と再婚もありだと私は思っています。
ただ、心の底から納得して決めないと、あとでクヨクヨして苦しくなるかもしれません。
私は試せることは全部試したと思っているので、後悔せずに前向きに今の生活をできています。
クヨクヨしそうな時に思い出す、決め手を持って、覚悟されると良いと思います。
私の体験が少しでもどなたかのお役に立てれば幸いです。
まとめ
今回の体験談のまとめ
- 離婚を意識した理由
・お互いに精神的な病気が発症し、コミュニケーションがうまくとれず育児に支障がでると感じたため - 離婚までの経緯
1、元夫の精神的な病気により自身も精神的病気を患う
2、自身の症状がひどくなりこのままでは結婚生活、育児に支障がでると感じたため話し合い離婚 - 離婚をして良かったこと
・自身の症状も良くなり、子育てにも良い影響が生まれたこと - 離婚をして悪かっったこと
・特になし - 離婚後の現状
・実家や元夫、市のサポートによりなんとか不自由にない暮らしを行なっている
・自身や子供も健康体で笑顔で生活でき、日々奮闘中 - 離婚を考えている方へアドバイス
1、自信が壊れてしまう前に、前を向くことを決断してほしい
2、離婚は情けなかったりカッコ悪く感じるかもしれないが、まずは自分を大切にすることが必要
3、離婚対して試せることは全て試し、後悔のない行動をしてほしい
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