DV

公的DVシェルターとは?実態や評判、利用体験者の口コミを紹介!

今回は、DV(ドメスティックバイオレンス)に悩む方が利用する施設であるDVシェルターについて紹介します。

DVの被害数は年々と増加しており、警察庁の統計によると、
平成27年のDV相談件数が4,971件だったのに対し、平成30年には約2倍の9,042件にまで増加しております。

令和1年は前年よりやや減少したものの8,435件と依然として高い相談件数があります。
※警視庁ホームページ 配偶者からの暴力事案の概況 参照

 

DV被害に遭われている方は、なかなか他人に相談し辛く、
相談したことが加害者に分かれば、更なる被害が生まれる可能性が高いため、余計に相談できないといった実態があります。

しかし、自分の意志で行動しなければ打開策はありませんので、ぜひ勇気を持って行動していただきたいと思います。

では、DVシェルターに関してまとめました。
公的シェルターを実際に利用したことのある方の体験談も掲載していますので、参考になれば幸いです。

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DVシェルターとは?

DVシェルターとは、ドメスティックバイオレンス、ジェンダーバイオレンスを受けた被害者が、加害者である配偶者やパートナーから隔離をすることで一時的に保護し、自立支援を行う施設です。(DV被害者以外にも経済的事情からホームレス化した女性等も居住していることもあります。)

 

DVシェルターには、『公的シェルター』と『民間シェルター』の2種類があります。

 

公的シェルターとは?

行政が運営する保護施設です。

公的な施設は、売春防止法に基づき各都道府県に設置された婦人相談所に併設される一時保護所です。
DV防止法に基づき、民間シェルターや母子生活支援施設に委託される場合もあります。

 

公的シェルターの利用条件は?

主な利用条件は以下になります。

  • 警察への相談、その他地方自治体の窓口への相談履歴があるかどうか?(緊急性の場合を除く)
  • 身近に家族や親戚など頼れる人がいないか?
  • 収入の有無

 

公的シェルターのルールは?

主なルールは以下になります。

  • 携帯電話の使用禁止(入居時に預ける)
  • 外出制限
  • 他の入居者との交流制限
  • 外部に内部の情報を話すこと禁止

 

利用期間や費用は?

原則的には無料で、約2週間の利用が可能です。

 

公的シェルターは、一時的な被害者の保護施設という観点のため、民間のシェルターに比べると、利用条件やルールが厳しく設けられております。
配偶者やパートナーからの暴力から逃れられることができるという点では安心ですが、施設での生活は制限が多いため、生活ストレスが溜まりやすいといったデメリットがあります。

 

民間シェルターとは?

民間団体が運営する保護施設です。

現在民間シェルターでは、被害者の一時保護だけに止まらず、相談への対応、被害者の自立へ向けたサポートなど、被害者に対する様々な援助を行っています。

主にNPO法人や社会福祉法人等の法人格を持っているところが運営しており、団体数は全国で120以上あります。(2021年3月現在)

 

民間シェルターの利用条件は?

主な利用条件は以下になります。
公的シェルターに比べ、利用条件は厳しくありません。
各施設により条件は異なりますので、詳しくは各相談窓口にお問い合わせください。

  • 公的シェルターの利用を断られた方
  • 暴力的DV以外の理由(経済的DV、精神的DVなど)

 

民間シェルターのルールは?
  • 公的シェルターと違い『携帯電話の使用制限』や『外出制限』は無い
  • 施設によりますが、お酒やタバコの使用制限などはある

 

利用期間や費用は?
  • 利用は1ヶ月を目安として設定(施設により異なる)
  • 費用は、1日あたり1,200〜1,500円の賃料水道光熱費等で500〜800円が必要
    (トータルで1,700〜2,300円ほどになります)

※生活保護申請が通れば、その支給金を利用費用にあてることができます。

 

民間シェルターは公的シェルターに比べ、利用条件やルールが厳しくなく、希望者が比較的に利用しやすいメリットがあります。
ただし、利用するには多少の費用が必要になります。
利用することで相談に乗ってくれたり、自立するためのサポートもしていただけますので、そういった部分では非常に価値の高い施設だと思います。

 

シェルター利用体験談

では、シェルターを利用したことがある3名の方の利用体験談を見ていきましょう。
今回は、全て公的シェルターを利用された方の体験談です。

 

体験談その1

利用者の体験談

39歳・支援相談員

シェルターを利用した年月日は?
2016年9月から約1ヶ月半

利用したシェルターの種類は?
公的シェルター

シェルターを利用した経緯は?
元夫より日常的に暴力を受けていました。しかし当時は共依存状態にあったため、私が我慢すればいいと自分に言い聞かせていました。
そんなある日、4歳と6歳の子どもを元夫が夜中に打ったり蹴ったりする状況に母親として申し訳なくなり、心は決まり警察の生活安全課に相談に行きました。

利用条件や審査方法はどうでしたか?
①以前に警察や相談機関への相談履歴がなければ入所不可。(緊急の場合を除く)
②まずは実家への避難や兄弟を頼ることが出来ないかと警察から提案あり。
③モラハラ理由での入所は困難。
④インフルエンザや持病等ある場合、入所不可。
実際、上記の①②④はしっかりと調査がありました。

相談から利用までの流れは?
①上記の審査を通過して入所となります。
②午前中に生活安全課へ行き、書類記入や警察とシェルターのやりとりを終えて入所となったのは午後16時過ぎでした。シェルターへは警察官が車で送ってくださいました。
③まずはシェルター内の担当ケースワーカーとの面接。
④シェルターでの決まり事の簡単な説明と書類への押印。

「今日は疲れているでしょうから、まずはゆっくり休んでください。」との声掛けに救われました。

ルールなどはありましたか?
ルールとしては、シェルターによって様々だと思います。
私は公的なシェルターだったので比較的厳しいルールだったかと思います。
民間シェルターだと、外出許可が出たり携帯電話所持可能なところもあるようです。

シェルター内での生活はどうでしたか?
携帯電話は電源を切り、職員へ預けます。
財布や貴金属類・刃物(うぶ毛用剃刀等)も預けます。
食事の他に、インスタントコーヒーは自由に飲めました。
子どものおやつはうまい棒一本。
お風呂は時間制で1家族25分。22時消灯、6時半起床でした。
外出は禁止なので、買い物は全く出来ませんし化粧水等も備え付けを使用するしかなく大変ストレスでした。

利用して良かったことは?
元夫から暴力をもう受けなくて済むんだという、とてつもない安心感を得る事が出来たことです。
毎日ビクビクして生活しており、熟睡出来る日はありませんでしたが、シェルターは守られており朝までゆっくり眠ることが出来て有難かったです。

携帯電話を職員に預けたことは不便でもありましたが、元夫からの着信を恐れる心理的負担は格段に減り、結果的には心の平穏につながりました。

また、これまで一人で我慢して暴力に耐えていた状況が、シェルター入所によって担当支援員さんがついて下さり「一人ではない。」という心強さも得る事が出来ました。

利用して悪かったことは?
母子ともに皆が不安定な心身の状態で入所するため入所者同士での揉め事が発生して、そのことに気を揉んだことです。
例えば、人に噛みつく子供がいたりなどです。

躁状態の母親に「ものを取られた。」と言われたり、幽霊が見えると夜になると騒ぐ母親もいました。
私も含め皆が助けを求めて入所しているので、長く居て居心地の良い場所ではないことは確かです。

これから利用を考える方へのアドバイス
「まずはシェルター入所に行き着くまでの行動が出来た自分を褒めましょう。」です。
これで良かったのかなと気持ちが揺れることがありますよね。
DVでの共依存の場合、得に強く揺れると思います。しかし、戻ってはいけません。
シェルターに来た自分を、ずっと褒め続けましょう。これが第一歩です。

携帯電話が使えない・買い物に行けない等、一日の全ての行動に規制がかかりますが、それは一生続くものではありません。
厳しいルールの代わりに安全に守ってもらえるシェルターに入所する事が出来るのです。準備期間だけの規制です。

安心安全な未来のために、もう少しの間頑張りましょうね。

 

体験談その2

利用者の体験談

41歳・看護師

シェルターを利用した年月日は?
2014年5月から約2週間

利用したシェルターの種類は?
公的シェルター

シェルターを利用した経緯は?
主人からずっとDVを受けており警察や行政のアドバイスでシェルターに入所しました。

利用条件や審査方法はどうでしたか?
主人と連絡を取らない、外部と連絡禁止が条件でした。
私の場合は、主人に接近禁止命令が出ていたこともあり緊急性があったため特に審査は無かったです。

相談から利用までの流れは?
①元々DVで主人の事を警察に相談しておりました。
②しかし、警察から指導が入る度こちらがまたひどい仕打ちをされた為、警察には指導はいらないと断り区役所に行って相談しました。
③区役所の方に「接近禁止命令が出ているのでシェルターに入りなさい」と言われ、場所は分かりませんが連れていかれました。親族も居ないし(妹はいますが居場所もバレている為)シェルターに入ったら方がいいとの事でした。

ルールなどはありましたか?
あります。仕事は出来ません。外出もかなり限られます。他の入居者との連絡交換禁止、外部に内部の情報を話す事も禁じられました。

シェルター内での生活はどうでしたか?
食事も自分で何かしら食べていましたね。特に何か提供ではなかったです。
日中は子供と2人でゆっくりしていました。買い物に行ける時間も少しはありました。

利用して良かったことは?
あまりありませんでした。軽い刑務所の様な感じですね。

利用して悪かったことは?
自由が効かないのと、スタッフさんにも優しい方はいますが、基本的にはシビアです。

これから利用を考える方へのアドバイス
あまり得策とは言えないかと思います。もう少し寄り添ってくれる様な環境だとまだ安心感もありますが私は苦痛の方が大きく結局主人の元へ帰りました。子供さんがいれば学校も行けませんし通帳等も没収されます。
もう少し居心地のよいシェルターがあれば迷わず皆さんが行けるのかと思いますが現実はシビアです。

 

体験談その3

利用者の体験談

42歳・無職

シェルターを利用した年月日は?
2020年10月から約3ヶ月

利用したシェルターの種類は?
公的シェルター

シェルターを利用した経緯は?
夫の在宅勤務による不和

利用条件や審査方法はどうでしたか?
①収入状況や頼れる身内の有無など
②主人と連絡を取らない、外部と連絡禁止が条件でした。

私は当時無職でしたので、無職の段階で失業保険やその他の給付がないことが条件でした。
また近くに両親や身内で頼れるか連絡が取れる人がいるか確認されました。

相談から利用までの流れは?
役所に相談後、担当施設を紹介
私の場合は10日くらいで紹介してもらえました。

区役所から紹介された女性や高齢者、シングルマザー向けの集合住宅の一角でした。

ルールなどはありましたか?
外出の制限、他の入居者との連絡交換禁止、外部に内部の情報を話す事も禁じられました。

シェルター内での生活はどうでしたか?
あまり快適な場所とは言えませんでした。
他人と共有する台所や浴室などあるのでプライバシーが十分確保されていないように感じました。
貴重品は常に放さないなどの必要があります。

利用して良かったことは?
一時的な安堵感を得られたことです。

利用して悪かったことは?
身の回りの物しか持っていけなかったので、必要な物が揃っているわけではなく、掃除など簡素に行われていました。

これから利用を考える方へのアドバイス
快適な場所とは言えないのですが、万が一の場合は早めに問い合わせをお勧めします。

 

まとめ

DVの被害に悩んでいる方は、必ずお近くの警察、各市長区村の相談センター、内閣府主催のDV相談サポートセンター『DV相談+』などに相談されることをおすすめします。

内閣府 DV相談+のホームページはこちらから
https://soudanplus.jp
電話:0120–279−889

また、DVシェルターの利用をご希望される方は、公的シェルターよりも民間シェルターの方がいいかと思います。

利用者からの体験談でもわかるように、公的シェルターは保護という観点から携帯電話の使用禁止や外出制限、入居者同士の交流の禁止など数多くの制限があります。
DVから逃れられるためには必要な場所ですが、入居生活でのストレスが溜まりやすい実態があります。

現在は以前に増して民間シェルターの数も多くなり、比較的入居しやすい環境になっております。
NPO法人が運営を行う全国のシェルターを繋ぐネットワークサイト『NPO法人全国女性シェルターネット』といったところもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

NPO法人全国女性シェルターネット
https://nwsnet.or.jp/ja/

DVに悩んでいる方が一人でも少なくなり、次の新しい生活に向けていい方向に進んでいただけることを願っています。

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